
雑誌「宣伝会議」表紙/1973
辰巳四郎は1960〜'70年代に代表作を数多く制作し、活躍したイラストレーターです。
当時、彼は数多くの作品を広告を中心とした世界で発表し"日宣美"など数々の賞に入選しました。
辰巳四郎の作品の根底に流れるのは"叫び、と、怒り"です。
彼はベトナム戦争当時、世界的な戦争反対の運動があったにもかかわらず、その世界的な声が結果としてなにも反映されないことに大きく失望しました。
彼は、第二次世界大戦の終演を7歳という少年時代に東京で体験し、その"恐怖、怒り、失望…"などの心証が後の彼の作品に大きな影響を与えることになったのでした。
フリーのイラストレーターとなってからしばらく、辰巳四郎はイラストという表現以外にブックカヴァーという装幀などの表現世界に夢中になっていました。
晩年、新世紀にあたり再び作品作りに向かって新たなテーマをライフワークに活動を始めたところでした。
これだけの作品を所有しながら個人の作品展を一度も催さなかった彼は、みなさまに活動を見ていただきたくまさに"再開"を決意したところでした。
不幸なことに、志を果たせないまま、2003年11月5日、新宿三丁目のアトリエで永眠しました。65歳。